チューハイ帝国、ニッポン

日本は世界でも、最も大きいレディ・トゥ・ドリンク(RTD)市場を持っています。この流れは、居酒屋でポピュラーだったチューハイ、サワーをRTDにした1984年発売の「タカラ缶チューハイ」が発端となり、その後、2001年のキリンの「氷結」のヒットが、若者や女性といった層にも幅広くRTDが受け入れられる土壌を作りました。サントリーもその後参入し、「高アル」、「低アル」、「ハイボール」といった製品で市場を席捲していきます。

チューハイはコンビニからスーパーまであらゆる小売店で販売されており、価格帯と新フレーバーのリリースでビール市場に拮抗し、日本のアルコール・シーンにすっかり浸透しています。その消費量は14億リットル、これはビールの4分の1であり、しかしワインの4倍となっています。そしてこの数年間の伸び率を見ても、今後RTD市場はますます伸びていくと期待されています。

現時点ではこの成長は日本国内マーケットの限られたブランドにのみ見られる傾向ですが、見方を変えれば、新しいコンセプトやブランドが参入する大きな可能性を秘めているとも言えます。(ちょうど20年前の「氷結」がそうだったように)。

もう一つのポイントは、この分野は海外マーケットで今後大きく伸びる可能性もあるということです。チューハイの海外進出はこれからますます目が離せないものになるでしょう。